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153
件
(
2025-06-04
01:09 集計
)
Permalink : https://hdl.handle.net/10114/11779
閲覧可能ファイル
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説明
14_thesis_master_亀井雄一郎
pdf
1.52 MB
304
論文情報
ファイル出力
アイテムタイプ
学位論文
タイトル
多電極電位計測システムを用いた心毒性検査の培地条件探索及び、ニコチン添加によるニワトリ胚由来心筋細胞への影響
著者
著者名
亀井, 雄一郎
著者名
KAMEI, Yuichiro
言語
jpn
開始ページ
1
終了ページ
35
発行年
2015-03-24
著者版フラグ
Not Applicable (or Unknown)
学位授与年月日
2015-03-24
学位名
修士(生命科学)
学位授与機関
機関名
法政大学 (Hosei University)
内容記述
理工学研究科生命機能学専攻; 指導教授: 金子智行
抄録
医薬品は病気の症状を改善する効果だけでは無く副作用があり、医薬品の開発段階において副作用を調べる毒性検査は必要不可欠な試験である。特に、心臓への毒性は不整脈などを引き起こし致死的であるため心毒性検査は最重要項目になっている。現状、毒性検査は莫大な時間とコストがかかっており、コスト面や倫理面、技術面をより改善した手法が求められている。それらをクリアできる可能性のある手法が多電極電位計測(Multi Electrode Array: MEA)システムである。MEA システムは心筋細胞の細胞外電位を非侵襲的に長時間測定が可能であり、不整脈を引き起こす危険性の指標を示すことができると期待されている。しかし、MEA システムを用いた毒性試験には明確なプロトコルが確立されておらず、測定培地条件もその一つである。 そこで、一般的に用いられる 37℃保温箱内で一般的な細胞培養で使われている Dulbecco’s Modified Eagle Medium(DMEM)を測定培地として、心筋細胞の拍動間隔(Interspike Interval: ISI)と不整脈の危険性の指標となる細胞外電位持続時間(Field Potential Duration: FPD)を測定したところ、時間経過と共にどちらも大幅に変動することがわかった。37℃保温箱内ではCO2濃度を制御していないので、時間経過と共に培地のpHが大きく変化し、その変化が心筋細胞の拍動に影響している可能性がある。そこでpH緩衝作用を持つ25mM HEPES bufferの入った DMEM(HEPES 培地)とCO2濃度の影響を調べるために、CO2濃度に依存しない CO2非依存培地について検討を行った。両培地とも心筋細胞のISIとFPDを安定して測定することができ、培地のpHは時間経過で上昇したもののDMEM と比べ、その上昇は緩やかであった。CO2非依存培地は培地の組成が公表されておらず、培地成分と薬剤の反応が不明であるため、毒性検査に用いる培地はHEPES培地が最適であると判断した。 次にHEPES培地を測定培地として、タバコに含まれる毒物であるニコチンの心筋細胞への直接的な影響を調べた。ニコチンは喫煙が生体に及ぼす影響の主因となる化学物質であり、その作用は一般的には脳などの神経系を介した間接効果であると考えられている。しかし、それだけではなく神経系を介さず、心筋細胞の hERGチャネルと筋小胞体Ca2+ポンプに直接作用する可能性が示唆されている。そこで、MEAシステムを用いてニコチンの心筋細胞への直接作用について細胞外電位を測定することにより ISI,FPDへの影響、及びFPDのShort Term Variability(STV)を算出し、不整脈の生じる可能性について検証した。 その結果、600μM以上のニコチンでISIは短縮しFPDは延長した。ISIの短縮は筋小胞体 Ca2+ポンプへの作用で生じ、FPD延長はhERGチャネルへの作用により生じると考えられた。hERGチャネル阻害の可能性を調べるためにさらに、K+ピークの値を比べたところ、600μM以上ではピークが小さくなりK+チャネルの阻害が確認できた。よって、K+チャネルの阻害によりFPDが延長する可能性が示唆された。さらに、FPDのSTVを算出した結果6.0mMではニコチン添加前の3倍近くの STVであることから、この濃度では不整脈を起こす可能性が高いことが示唆された。しかし、喫煙時の最高血中濃度は約0.5μMであるため喫煙によるニコチン摂取で不整脈を起こす可能性は低いと思われる。 本研究の結論として、保温箱内でのMEAシステムによる心毒性検査において測定溶液のpHの変動は心筋細胞の拍動に影響を与える可能性があるため、pH変動が小さい測定培地を選定することが望ましいと示唆された。また、ニコチンは心筋細胞の筋小胞体Ca2+ポンプやK+チャネルなどに直接作用する可能性が高いが、喫煙などによる摂取では心臓への直接的な影響は小さいことが示唆された。
資源タイプ
Thesis
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理工学研究科生命機能学専攻
113 生命科学部・理工学研究科生命機能学専攻
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